当日席もございますので、観覧ご希望の方は各トークセッション受付までお越し頂ければ幸いです。各日、開始30分前より受付を開始いたします。尚、席数には限りがございますので、予定席数終了後は立ち見となる場合もございますことご了承下さい。
「領域を超えたものづくりの未来」
登壇者 八谷和彦(メディア・アーティスト)
緒方壽人(takram design engineeringディレクター/デザインエンジニア)
山中俊治(東京大学教授)
日時 10/26(日)14:00-15:30
場所 S棟アニバーサリーホール
近年、サイエンス、デザイン、アート、エンジニアリングなどの垣根を越えた活動が広く注目されている。八谷氏はメディアアーティストとして、ペットがメールを配達する”PostPet"の開発から、「メーヴェ」そっくりの一人乗りジェットの実機飛行に成功した"OpenSky Project”まで、工学とアートの壁を越えた活動を行っている。一方、緒方氏はデザインエンジニアとしてインタラクティブなプロジェクションマッピング作品"ON THE FLY" を始め、メディアアートからプロダクトデザインまで幅広い活動を行ってきた。
領域を越えた活動をしているお二人を迎え、そうした活動の喜び、困難、それがもたらす未来などについて鼎談形式で語る。
八谷和彦
1966年4月18日(発明の日)生まれの発明系アーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業、コンサルティング会社勤務。その後(株)PetWORKsを設立。現在にいたる。
作品に《視聴覚交換マシン》や《ポストペット》などのコミュニケーションツールや、ジェットエンジン付きスケートボード《エアボード》やメーヴェの実機を作ってみるプロジェクト《オープンスカイ》などがあり、作品は機能をもった装置であることが多い。
2010年10月より東京芸術大学 先端芸術表現科 准教授。
緒方壽人
東京大学工学部産業機械工学科卒業。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、2010年にON THE FLY Inc.を設立。2012年よりtakramに参加。ハードウェア、ソフトウェアを問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスなど、領域横断的な活動を行う。主な受賞に、2004年グッドデザイン賞、2005年ドイツiFデザイン賞、2012年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など。
山中俊治
1982年東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車デザインセンター勤務。1987年よりフリーのデザイナーとして独立。1991年より94年まで東京大学助教授を勤める。1994年にリーディング・エッジ・デザインを設立。 2008〜12年慶應義塾大学 政策・メディア研究科教授。2013年4月より東京大学生産技術研究所教授。 デザイナーとして腕時計から鉄道車両に至る幅広い工業製品をデザインする一方、技術者としてロボティクスや通信技術に関わる。大学では義足や感覚に訴えるロボットなど、人とものの新しい関係を研究している。
「先端技術とデザイナーが出会うとき ―新しい産学連携と教育のかたち」
登壇者 根岸豊(パナソニックデザインカンパニー社長)
村上浩司(パナソニック/第一期共同研究修了者)
新野俊樹(東京大学教授)
山中俊治
日時 10/29(水)14:00-15:30
場所 S棟アニバーサリーホール
2013年4月に設立された山中研究室、Prototyping & Design Laboratoryは東京大学の先端研究をデザインし、プロトタイプする研究室であると同時に、新しいタイプのデザインエンジニアの教育を目的としている。今年4月、かねての計画であった社会人教育プログラムの第一期の共同研究員をパナソニックデザインカンパニーから迎え、半年間のプロジェクトを終了した。今回のトークセッションでは第一期修了生である村上氏の3Dプリンティング(AM)とデザインをめぐる様々な研究成果について、パナソニックデザインカンパニー社長の根岸氏と、AMに関する先端研究を行い、今回共同研究を行った新野教授を交えて語り合う。
根岸豊
1980年 松下電器産業(株)にデザイナーとして定期採用入社
1981年 総合デザインセンター、システムデザイン室配属
B2B、ソリューション(ロボット、生産・情報機器)を担当
1983年 オーディオ事業部 デザイン室へ異動
テクニクス(単品コンポ、スピーカー、ミニコンポ等)のデザインを中心に、オーディオの主力カテゴリーをグローバルに担当
1994年 オーディオ事業部のデザイン責任者
グローバルにデザインでヒット商品を創出
2002年 薄型TV(Viera)、BD(DIGA)、コンポ、シアター等
ホームAV商品のデザイン総責任者
2007年 パナソニック(株)デザインカンパニー社長
パナソニックの全商品デザインを統括
現在の主な活動:
パナソニックの21Cデザインフィロソフィ「Future Craft」確立、「4つのグローバル拠点」整備とデザインの現地化、ニッポン・クリエイティブ拠点パナソニック「日比谷ベース」活動、「重要デザイン因子開発」による新価値創出、パナソニックデザイン活動のグローバル広報、など、積極的に活動中
村上浩司
京都工芸繊維大学大学院卒業。1998年パナソニック株式会社(旧松下電器産業株式会社)入社。
デザインカンパニー アプライアンスデザインセンター所属。シニアデザイナーとして活躍。
これまでに担当した商品は、国内外のエアコン、掃除機、洗濯機など。各商品でGマーク受賞。
ドラム式洗濯機では2013年グッドデザイン・ベスト100に選出される。
新野俊樹
1995年3月に東京大学大学院工学系研究科 精密機械工学専攻を修了。「高出力静電モータの開発」に関する研究で博士(工学)の学位を取得。同4月より理化学研究所にポスドクとして勤務、真空環境下のメカトロニクスとAdditive Manufacturing(3D プリンティング)の研究に携わる。1997年より同所の研究員。2000年より東京大学生産技術研究所助教授。従来の研究に加え、立体配線基板に関するプロセス研究およびそれを用いたメカトロニクス機器の研究を行う。2012年同所教授。現在に至る。現在は、Additive Manufacturingの新しいプロセスや材料の研究、組織工学への応用に関する研究に従事。
「超合金の夢 ―レアメタルを核にしたデザインの可能性」
登壇者 岡部徹(東京大学教授)
山中俊治
日時 10/31(金)17:00-18:30
場所 S棟アニバーサリーホール
岡部教授は、未来材料とされるチタンなどのレアメタルに関する研究に長年携ってきた日本のレアメタル研究の第一人者である。「超合金Z」の構成元素である「ジャパニウム」、さらには「ルナチタン」などのフィクションに登場する超合金の製造法を考案し(?)大学院でも教えている。今回は、岡部教授を迎えて、レアメタルの魅力と研究の面白さ、孤独と苦難の日々、レアメタルと似非科学など、科学や学問を超越した様々なエピソードを語ってもらう。さらに、レアメタルが開く未来とデザインの将来的な関わりについて、山中と語り合う。
岡部徹
1965年(昭和40年)京都市生まれ。ロンドン日本人学校、筑波大学附属高等学校を経て、88年、京都大学工学部冶金学科卒業。同大学院博士課程へと進み、チタンなどのレアメタルの精錬に関する研究で93年に博士号を取得。その後、日本学術振興会海外特別研究員として渡米、マサチューセッツ工科大学の博士研究員として約3年間留学。東北大学素材工学研究所(現:多元物質科学研究所)の助手として5年間勤め、2001年より東京大学生産技術研究所の助教授に着任し、同研究所の准教授を経て、09年から教授に就任した。専門分野は、材料化学、環境科学、循環資源工学、レアメタルプロセス工学。20年以上、一貫してレアメタルの研究に取り組んでいる。“プロセス技術がレアメタルをコモンメタルに変える”ことを夢見て、チタンなどの新製錬技術の開発を行っている。最近は、PGM(白金族金属)、レアアース(希土類金属)、ニオブ、タンタル、ガリウム、タングステンなどのレアメタルの製造プロセスや新規リサイクル技術、環境技術の研究も行っている。